シルク(絹)は乾燥肌・敏感肌・アレルギー対策に効果的。
ご自分が敏感肌・アレルギーがあると自覚のある人の多くは、きっと普段の生活で色んな事に気遣っておられると思います。
私自身、寒くなってきてかかとがひび割れ始めると、今年もこの時期がやってきたといわんや、保湿クリームが出動です。
皮膚炎など症状の強い方はきっとこんなレベルではないでしょう。
今回は、そんな敏感肌族のみなさまとシルク(絹)の相性はバツグンだというお話です。
シルクの基本情報
シルクと聞いて、よく知らないけど高級素材だよね?という方のために、簡単に説明をしておきます。
シルク=絹
蚕がサナギになる時に作る繭を利用したもので、繭を解いて糸として利用するものをシルク糸(絹糸)。主に衣類などの織物に利用されます。
そして繭を解かず、シート状に伸ばし広げて重ねたものが真綿(まわた)。主に布団や防寒着の中綿として利用されます。
歴史
現在の原産国は80%が中国産。残りの20%はインド・東南アジア等です。
古代中国では、4700年前にはすでに衣類として加工し使用されており、後世、シルクロードと冠されているように中国が世界に誇る高級繊維素材でした。
また、中世代まではシルク糸は手術の際の縫合糸としても一般的に利用されていました。
その後、明治から昭和初期にかけて日本は中国(清)を抜いて世界一のシルク生産量を誇り経済発展の土台を築きましたが、ナイロンなど化学繊維の登場と養蚕従事者の減少とともに急激に姿を消していった。という歴史があります。
今では日本産シルクは全体の1%程度と言われています。
シルクの特徴
- 繊維がとにかく長い。
- 吸水発散性・吸湿発散性に優れている。
- 夏は涼しく、冬は暖かい。
- 肌に優しく、肌触りが良い。
- 保温・保湿性に優れている。
- 脱臭作用がある。
- 染色しやすい。
- 耐火性がある。
- UVカット効果がある。
- 抗酸化作用がある。
- リラックス効果がある。
シルクはアレルギー対策になる
シルクは本来、蚕を厳しい自然の雨風から身を守るための防護服のようなもの。
18種類のアミノ酸から構成されており、私たち人間の肌の成分と非常に似ているためアレルギー反応が起こりにくいと言われています。
先述のように、現代ほど医療技術の発展していない古代から中世にかけて手術の縫合糸として利用されていたという事からも、シルクが昔から肌に優しい素材として私たちの身近にあったことが伺えますね。
そしてもうひとつ、
静電気が起きにくい事が挙げられます。シルクの繊維は1本が約1500m程もある超・長繊維。また、常に繊維中に10%ほどの水分を含んでいるため、摩擦が起こりにくく、帯電しにくい特徴があります。
ですから、他の素材のように糸切れなどをほとんど起こらないのでホコリが発生しにくい。さらに帯電しにくいので周囲のホコリを寄せ付けない。
これらが敏感肌族の人々に長く愛用されている大きな理由です。
アレルギーの原因
人のアレルゲンを数えると限りありませんが、こと敏感肌におけるアレルギー反応の原因としては、
- 生活習慣
- 遺伝的要因
- ストレス
- 生活環境
などが挙げられますね。内容が被りますが、
食生活の偏り、睡眠不足、ストレスなどはとても大きな要因となります。
また、加齢など病気などによる免疫の低下、ホコリに含まれるチリやダニの死骸、気候季節による乾燥や花粉、様々な要因が重なることによってアレルギー反応はいつでも起こり得ます。
近年では、化学繊維素材の下着、特に冬用の保温下着などは一般的ですので、摩擦、静電気によって肌の乾燥は引き起こされます。起こるべくして起こるアレルギー反応。
ある意味現代病。乾燥肌族が増え続けるのも納得です。
シルク素材には、これらいくつかの原因を自然の力によって緩和する作用を持っているので、アレルギー対策としてとても有効だという事です。
他の素材との比較
代表的な天然素材として、
- 植物性天然素材 麻(リネン等)綿(コットン)
- 動物性天然素材 羊毛(ウール)絹(シルク)
代表的な化学繊維として、
- 再生繊維素材 レーヨン・キュプラ
- 合成繊維素材 ポリエステル・ナイロン
などが挙げられます。
天然素材は、ほとんどが通気性高く、肌に優しいことが挙げられます。
合成繊維は、安価で染色性に優れていることが多く、衣類に使用される場合は肌触りが比較的良いものが多いです。
個々の解説は割愛し別コラムに委ねますが、
素材についてさほど詳しくない方でも、この中でシルクほど人肌との親和性が高いものはなく、帯電しにくさ、肌触りのよさ、吸湿発散性など、こと人肌への優しさ、負担の少なさでは群を抜いて優れていることが想像できると思います。
デメリット
そんなシルクにもデメリットがあります。
それは
- 水に弱い
- 紫外線に弱い
- 摩擦に弱い
- 高温に弱い
- 虫に弱い
- 価格が高い
ここでも専門的な小難しい内容は別コラムに委ねるとしまして、簡単に説明します。
シルクの成分の一部は非常に水に溶けやすい性質があります。溶けてなくなる訳ではありませんが織物だとシミになりやすく、摩擦がかかると、繊維が毛羽立ち、切れやすくなります。また高温によって縮れ変形・変色が起こります。
細さの割には非常に強度のある繊維と言われていますが、そもそも1本が非常に細い繊維なので非常に繊細なのです。
また、太陽光・紫外線を吸収する性質を持っています。非常に人肌に近いと述べましたが、シルクは人と同じように紫外線によってメラニンが生成され変色してしまいます。紫外線を受けてシミができるのですね。
ただ、この吸収能力を逆手にとって、シルクのUVカット機能を利用した商品は、UVカット服やアームカバー、化粧品まで多岐にわたって流通しているので、ご存じの方も多いと思います。
そして虫に弱い。
そもそも、アミノ酸→タンパク質で出来ているため、虫の食糧になりやすいという問題があります。
特に湿度の高い押入れなどに何の対策もなしに放置していると、1シーズンで虫喰いの被害に遭う事でしょう。
ですが、きちんと清潔に保ち、虫対策、湿気対策をしておけば長くきれいな状態を保つことができます。
最後に、シルクはそもそも高級素材としてのイメージもあり、近年ではいよいよ生産量が減少傾向にあるため価格が高い。
化学繊維は500円シルク繊維は3000円などという価格差はザラです。
まとめ
シルクがアレルギーや敏感肌の人にお勧めな理由は、
- 静電気が起きにくくホコリを寄せ付けない。
- 適度な保湿性があるので乾燥しにくい。
- 通気性が高いので湿気が溜まりにくい。
- 成分が人肌に近いので、アレルギー反応が起こりにくい。
確かに、デメリットもあり価格としても高いのですが、肌の敏感な私たちにとって日常生活の100%利用する生活必需品によって引き起こされるかゆみなどの不快感のことを思えば、天然素材はもとよりシルクから受けられる恩恵はなかなか有益なものだと私自身感じています。
科学技術が日々発展している昨今、多くの素材が生み出されており抗菌や肌に優しいと謳い文句の商品は山ほどありますが、シルクほど人肌への効果の高い素材は少ないのではないでしょうか。
巷では安価に化学繊維素材の冷感シャツや保温シャツが販売されていますが、着てみると確かに良いです。ですが、命をかけて山に登る登山家たちが生命線でもある体温を委ねる下着として現代でもシルクの下着を愛用する理由は何でしょうか?
シルク素材は高価なため手を出しづらいですが、実際使ってみると確かに他の素材では感じることのできない心地よさとリラックス効果があります。
洗濯、保管方法だけ気を付ければ、きっと末永く愛用することが出来る事でしょう。
関連情報
GoonDocks
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