真綿布団(シルク)のデメリットについて
真綿布団(シルク)のデメリットについて
今回は真綿布団のデメリットについてお話ししようと思います。
前回までは真綿布団のメリットについて語りましたが、何事も良い面もあれば悪い面もあるということで。
普段からお客様からいろいろな質問を頂きます。
効果はどうなの?とか、寿命は?とか、洗ったらどうなるの?とか、中国製品は本当に大丈夫なの?とか。
シルクの生地デメリットとは若干ニュアンスが異なりますので、ここではシルク製品の中でも「真綿」のデメリットとして解説していきます。
快眠のお供として真綿布団を検討されている方、疑問がある方の参考になればと思います。
シルク・真綿の特徴。 |シルクとは? 知りたいとこだけカンタン解説→
水に弱い(基本的に洗濯機が使えない)
真綿は基本的に洗濯ができないと言われます。その理由は、長時間水に触れていることでシルクの成分フィブロインとセリシンの成分が柔らかくなり、非常に変質しやすくなるからです。
柔らかくなった状態で洗濯の大きな摩擦の力がかかることで劣化しやすくなるのですね。
そして変質した後に乾いてしまうと真綿が固く、フワフワ感がなくなってしまいます。
結果、基本的に家庭での洗濯ができないということになります。
基本的にと述べたのは、一部洗濯機で洗えると謳い文句の真綿布団があるからです。
この、洗濯ができる真綿布団に関しては、シルクって洗濯機で洗えないんじゃなかったの?と思われる方も多いと思います。興味のある方も多いと思いますので、後日別コラムを設けようと思います。
洗えないとはいうものの、真綿布団は確かにちょっとした汚れであれば家庭でも可能です。もちろん、ゴシゴシ洗って乾燥機でというのはナシですが。
私の実体験ですが、
以前、ウチの猫のカツオが真綿布団の上で吐いてしまったことがありまして、
←ウチのカツオ
絶望していましたが、これは実験のチャンスと思い布団の工場長に方法を聞いて実践してみました。
中さじ1杯ほどの中性洗剤を溶かしたぬるま湯(人肌程度の水温でOK)で軽くもみ洗いをし、洗剤が残らないようによく濯いで、遠くからドライヤーの熱を当て、1時間ほど放置。
乾いたころに恐る恐る触ってみたのですが固くなったという印象はありませんでした。側地のコットンが少し硬くなったかなと思いましたが、使っている間ににほぐれて再び柔らかくなり、今ではどこを洗ったのかわかりません。
このような感じで、仕事上このような実験?を私自身も何度か試していますが、今のところ目に見えて劣化したという事はありません。
ですが、水に弱いことは事実なので洗う回数が少ないに越したことはありませんね。
※実践される方はくれぐれも自己責任でお願いします。
ですから、どの販売者さんも、真綿布団がひどく汚してしまったという場合には水を使わないドライクリーニングを推奨しています。
決してコインランドリーの大型洗濯機で洗わないように!
では、綿やポリエステル製のようにガンガン洗えないなら、真綿布団って汚いのか?ということになると思いますが、そんなことはありません。
人が布団で寝るときの、汗や、油脂、フケなど小さな汚れは、そのほとんどが布団カバーに付着されるからです。
湿気は真綿が吸収することになりますが、よっぽど湿度の高い部屋でなければ、勝手に放湿してくれます。
また、羽毛やポリエステル素材とは違い、”呼吸している”と形容されるほどに通気性が良いので、菌なども湧きにくく、基本的にメンテナンス不要。たまに風に当てて干すだけで清潔な状態を保つことができるのです。
太陽光に弱い
シルクは、受けた紫外線の98%を吸収するといわれています。ですから、手袋や、アームカバーなどUVカット素材として使用されることも多いですよね。
人の肌が紫外線を受けると、身体を守るためにメラニンが生成されて、シミやそばかすができる。
実は、シルクでも同じことが起こります。シルクは人肌に近い成分(アミノ酸)からできていますから、
紫外線を吸収するとシルク成分がメラニンに変化(劣化)し黄色になります。UVカット素材としては非常に優秀ですが、衣類、布団としてはデメリットということになります。
ですから、シルクを直接太陽光に当てれば当てるほど劣化が早くなるので、真綿布団を干す際は陰干しや、布団カバーを上からかけることが推奨されています。
ですが、実のところ布団側生地がシルクでなければ、直接紫外線がシルクに届く量はそれほど多くないので、気にせず太陽の下で干している方も多いです。その状態で10年、20年使用される方も少なくありません。
販売者の観点で言えばと、少しでも長く良い状態を保つためには太陽光は控えてください、といいたいのですが、布団を気持ちよく最高のコンディションで使用するというならば、実際は太陽光に当ててあげた方がよりふわふわになり気持ちが良いです。
ただ、これって真綿の品質によっても大きく違う点になので要注意です。
後述しますが、品質の良い真綿の条件としては、「糸の太さが均一」「糸の長さが長い」とか「薬品を使わない」などがあります。
逆に品質の悪い真綿は「糸が均一ではない」「短い」「すでに変色している」「薬品漬け」「強制的に脱色され必要な油分も抜けている」などあるので、そもそも弾性がなく脆い糸だと簡単に切れてしまうし、太陽光に当てることで残留化学薬品によって簡単に劣化が進んでしまいます。
そう考えると、品質が悪い真綿布団であればあるほど、寿命が短いんですね。
湿気に弱い
真綿のメリットに吸湿・放質性が。。と書いたのに湿気に弱いってどういうこと?
と思われるかもしれません。
真綿は確かに吸湿性も放湿性も非常に優れていて、菌が繁殖しにくいというのは本当なのですが極端に高い湿度の中で長時間放置されると、とても最悪な環境になってしまいます。
もちろん真綿に限らず羽毛、ポリエステル、綿、すべて共通ですが、湿気が高い場所で長期間放置するとカビや菌が発生してしまいます。
中でも真綿、羽毛はもともと動物性たんぱく質成分なので、ダニや虫の絶好の住処になってしまうのです。大好物のごはんです。
ですから、長期間干さずに湿気の残った状態で湿度の高い押入れの中で来シーズンまでそのまま保管。
なんてことをすると、いざ使おうと布団を広げたときには虫が発生しているかもしれません。
でも、大切な事さえ押さえておけば極端に怖がることでもないので、しっかり覚えておきましょう。
1.使用中でも2週間に1度ほどは風に晒す。
2.シーズンが終わったら、2時間程度風に晒して、湿気を飛ばす。
3.できるだけ湿度の高くない場所で保管。
(どうしても湿度の高い場所で保管せざるを得ない場合は、定期的に扇風機などで強制換気)
4.保管中も月に1度、2時間程度は風に当てるために干す。
ちゃんと管理してあげれば、虫の温床にはなりません。
それより定期的に干してあげれば、こんなに気持ち良い布団はありません。
少し長くなったので、続きは次回にしようと思います。 →→続きはこちら←←
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