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真綿布団のデメリットについて 其の2

真綿布団のデメリットについて 其の2

 

今回は、真綿布団のデメリットとして、

・水に弱い

・太陽光に弱い

・湿気に弱い

というお話をしてきましたが、今回は引き続きデメリットと外国製というテーマでお話していこうと思います。

 

 

シルク・真綿の特徴。 |シルクとは? 知りたいとこだけカンタン解説→

 

寿命が短い

通常、掛け布団の寿命は10年から15年と言われています。

ところが、真綿の寿命は、一般的に5年程度との事。

ただし、真綿も品質の良いものと悪いものでは質感も使用期間も大きく変わります。

 

 

現在日本にはシルクに関する規格は存在しませんが、シルクの本国、中国には蚕の繭のEランクから優等までの6段階の品質規格があり、例えば最下級のEランクを使用した真綿は通常であればシルク糸としても、真綿としても使用できないものを漂泊洗浄して使用します。

 

Eランクの真綿になると、糸の長さが短い、節があるなど、品質として高いとは言えないので当然長期間の使用は難しくなり、この特徴から、フワフワ感、保温力もそれなりです。

 

また、残留薬品の酸化による真綿の劣化ということが大いに考えられます。(実際には、酸化を加速させる)ですから、等級の低めの繭を使った真綿であれば、寿命は3年から5年は妥当と言えます。

 

逆に優等品となると形状、色味などを職人さんによってひとつずつ選別することで、最高級と判断されたものだけが選ばれます。

このような蚕で真綿を作ると、ふわふわ感は通常の真綿より長持ちし、薬品を使用する必要がないので残留薬品による品質劣化ということもありません。

 

また、最高級である優等品であれば、コストの面からみても機械真綿として使用される可能性はほぼなく、手引きで真綿にされるので、繭を傷めることなく真綿にできるので、より長く寿命を維持できます。

 

このような真綿は実際に10年以上または20年ほども使用されています。

適切に管理をしてあげて、次のシーズンにまた風に晒して、空気を入れ替えてあげれば、またふわふわの状態に戻ります。

 

 

さらに言えば、繭の中でも玉繭という、2匹の蚕が1つの繭を形成した繭であれば、糸の絡みがより複雑なため絹糸としての使用は難しいですが真綿としては最高の寿命と品質を誇ります。

もちろん、玉繭が生まれる確率は全体の2~3%で、非常に貴重なため、価格もさらに高くなりますが、寿命は更に延びます。

以上を踏まえ、寿命の結論は、”品質によって大きく異なる“です。

 

 

価格が高い

真綿布団の価格は、驚くほど価格差があります。8,000円程度から数百万円まで。

真綿布団はその昔、高級布団の代名詞でしたが、なぜこんなに差があるのか。。

 

真綿布団の価格にはいくつかの要素があります。

生産国

繭の希少価値

製造方法

繭の使用量(詰め物の量)

 

大きく分けて、日本産と外国産、機械製と手製、そして混合品です。

そもそも日本産であれば人件費が高いので大幅に高価になります。

また、日本種の蚕は繊細で小ぶり、且つ数が圧倒的に少ないので、繭自体の価値も高い

そして、その繊細さを最大限に活かすため”角真綿”という小さめの正方形型真綿に形成されるため、1枚の布団に使用される繭の数が圧倒的に多い

尚且つ伝統手作業で行うと、日本産の真綿布団は数十万円~数百万円という超高級真綿布団になります。

ただ、その特別に繊細な真綿で作った布団はしなやかさと保温性が大きなメリットとなります。しかしその繊細さがゆえに寿命が長いとは言えません。

 

 

角真綿

↑角真綿

 

外国産について

 

そして外国産の真綿布団ですが、ほぼ中国の地方の工場で生産されます。まず人件費の安さ、日本の4分の1程度の人件費でも十分に生産可能で、機械で大量生産を行えばコストが下がります。更に機械製であれば、機械で繭を剥き、混ぜながら真綿にするので品質の悪い繭でも簡単に真綿に形成することができます。

 

そして問題の混合品ですが、市場に安価に出回る真綿の布団には、100%シルクと銘打った混合品があります。

その驚きの手法は、低品質のシルクを高品質と謳う、低品質に綿を混ぜる、複数の品質のシルクを混ぜる。高品質真綿に低品質真綿をサンドイッチするなど、枚挙にいとまがありません。このような販売方法は消費者からお金を騙し取る詐欺です。非常に恐ろしい。ですが実際に存在します。

この件に関してもいずれ改めてご報告できればと思います。

 

また、手引きであれば、数人が1日がかりで1枚、2枚を生産するところを、機械では、1日に数十~数百枚は生産できるので、非常に安価に生産できるというわけです。ただし、中国産の繭は、繭が大ぶりで糸が強いので、品質が良い繭であれば切れにくいのが特徴です。

 

それに対し日本産の繭は、小ぶりで繊細な分、強度は中国産ほどありませんので、衣類、反物、工芸品として確かに素晴らしい品質がありますが、布団にするには繊細過ぎる上、価格も高くなりすぎて手が出せないという難点があります。

 

中国繭と日本繭、一長一短ということですね。

製造から販売まで携わる私個人の意見としては、バランスが大切。

繊細過ぎると寿命の問題、粗すぎると心地の問題があるので、寿命と心地、もちろん品質と価格は基本ですが一番バランスの取れるポイントを狙ってお客様に提供できるよう努めています。

真綿の手引き

↑真綿の手引き作業

 

しかし、中国製だから品質が悪いということではなく、(真綿布団に限らず)安価な製品の大部分が中国国内の機械量産であるために、低品質のものが目立つということです。

 

実際には、その脇の方で細々と堅実に良い商品にこだわりを持ち頑張っている会社もあります。大昔から芸術的なシルクの工芸によって栄えてきた国なので、目を見張るような美しいシルク商品がたくさんありますが、90年代以降大量×低コストである大企業にシェアのほとんどを奪われているのが現状です。

 

 

また、真綿は中国産とか、繭はインド産とか、コストを下げる方法はたくさんあります。

日本産という標記をしてあるものでも、最終的な生産工程を日本で行えば日本産になってしまうため、最終的な縫製や処理を日本で行い、日本産として販売する企業も少なくありません。

実際にある大手企業の中国委託工場で”日本産”のラベル付け作業というものがあります。

完全に消費者の価値観を逆手に取った悪徳商法です。

 

 

結局、真綿布団の通常価格というものを決めるのは非常に難しいのですが、少なくとも数万~数十万と言ところです。確かに高い。

もちろん、季節に合った厚さがありますので、価格には真綿の充填量も大きく関わってきます。

 

まとめ

 

以上が真綿布団のデメリットということになるのですが、

では、最終的に真綿布団は、買いなの?どうなの?という点。

 

販売者の私が言うのもなんですが、

 

寝れればいい→×

高いのは無理→×

布団を干したりしない→×

当然このような方にはおすすめできません。

 

逆に、

布団時間を大切にしたい→〇

健康に気遣いたい→〇

美容に気遣いたい→〇

アレルギーがある→〇

少しでも心地よい布団で眠りたい→〇

 

多少お金をかけても良い環境で眠りたいという方には本当に良いふとんです。

真綿布団は確かに高いのですが、価格に余りある心地よさがありますので、販売者としても一個人としてもお勧めしています。

特に、健康や美容に気遣いたい方、子供さんやお年寄りには。

実際、私の店舗でもおじいちゃん、おばあちゃんへのプレゼントというお買い上げが一番多い気がします。

良い真綿布団を良いコンディションで使用すれば、本当に長く使うことができます。

 

 

 

また、真綿布団は、よく言われる”布団の打ち直しができない”というものがありますが、今の時代、布団を打ち直して使う人がどれほどいるのかと疑問に思うところが大きいので、項目として省かせていただきました。

簡単に説明すると消耗した真綿に新たに綺麗な真綿を覆うことで寿命を延ばすことができるのですが、これはどうしても手作業でしかできません。

解体→手引き→縫製と、ほとんど新品を作る工程と変わらない為、結局買い直すコストと変わらなくなるということです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、細かいお話をするとまだまだたくさんありますが、これ以降は後々ブログで少しずつお話ししていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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